杭打ちデータ「不正流用」が建設業界に波紋を呼んでいます。県内でも徳島県立
中央病院の改築工事において流用が発覚しました。

「設計通りに施工しているので、杭の支持力性能に問題はない」とは言うものの
不信感は拭えません。

10年前の耐震強度偽装事件の時は、再発を防ぐために建築確認を厳しくし、
手続きが滞ったため住宅着工が落ち込みました。今回も対策次第では同じことが
起こりかねないと非常に危惧をします。

首都圏では既に影響が出ており、マンションの販売個数は前年同期と比べて減少
し、契約率も落ち込んでいるそうです。

建物を建てるためには、仮設工事からはじまり、杭、土、鉄筋、コンクリート、型枠、
鉄骨、石、タイルetc数十種類の業種の人達が集まり工事をします。今回の問題を
生んだ一因とみられるのがこの「重層下請け」と呼ばれる建設業界特有の構造です。

そしてそれらの協力会社(下請け)は自主管理という名目の元、責任施工で自分達が
請けた工事を進めます。バブルが弾け仕事が減り、会社を切り盛りするために少々
安い単価でも仕事を受けざるを得なくなり、それが積み重なるうちに「安かろう悪かろう」
という風になります。もちろんすべてが悪意を持ってしているわけではありません。

建設現場は自然との闘いです。特に杭工事などは雨が降っても工事をします。
紙のデータが雨に濡れたり、風に飛ばされたりして紛失するケースもあります。その時に
他のデータを使い流用したのではないでしょうか?

いずれにしても「職人気質」という言葉に代表されるように、自分の仕事に埃と責任を
持ってこそ「職人」です。建設業へのなり手が不足している昨今では「にわか職人」が
増えて、従来の技術を持つ「真の職人」が減ってきているために今回のような問題が
起こるのではないでしょうか?

今回の問題を受けて建築検査が強化され、それにより監督の仕事も増えるので、増員
しなければならなくなり、建設コストが上昇します。ただでさえ材料は高騰しているのに、
その上に管理費まで高くなると、ますます着工率が下がるという負のスパイラルに陥り
ます。

建設工事の管理体制の強化・見直しを早急に実施し、国民の間に広がった不安を解消
し建設業に対する不信感を抱かせないような努力をするべきです。

建設業が下火にならないように、迅速な対応を期待します。

2015.11.29 Sun l 未分類 l コメント (0) トラックバック (0) l top